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固定費というのは,生産売り上げが多くなっても少なくなっても,それには関係なく,その期間には,きまった額個定額がかかる費用です。
減価償却費,保険料,固定資産税,賃借料など(固定資産関係の固定費)や,固定給の給料手当,福利厚生費など(人間関係の固定費),支払利息(資金関係の固定費)などがその例です。
これにたいして変動費というのは,生産売り上げがふえるとそれに比例して費用がふえるというように,生産売り上げに比例して増減する費用です。
製造工業の場合では,材料費(直接材料費)がそのおもなもので(商業の場合では,売上原価〈当期売上品の仕入原価〉がそのおもなものです),そのほか,荷造費,運送費,販売手数料なども,変動費の例です。
費用をこのような固定費と変動費に分類整理して,損益分岐点をつかむわけです。
利益図表(損益分岐図表,損益分岐点図表などともいう図表を作成すると,損益分岐点がつかめます。
利益図表には,いろいろな型のものがあり,また考えられますが,そのおもなものを,表8-1について作成してみましょう。
伝統的な利益図表この場合について,以前から広く用いられてきている利益図表(伝統的な利益図表)を作成してみると,図8-1,図8-1では,横軸で売上高(売り上げの金額)をとり,図8-oでは,横軸で販売量(売り上げの数量)をとってあります。
いずれも縦軸で,売上高,費用,その差の損益を示すようになっています。
このように縦軸で売上高,費用,損益を示すようにするものが,伝統的な利益図表です。
表8-1の諸数値とこの図表中のF点などの諸点と比べてみると,この図表の作り方はわかるでしょう。
この図8-1などをみると,売上高の線と費用の線が,売上高750万円(図8-2では販売量15,000単位)のところで交わっています。
売上高750万円(図8-2では販売量15,000単位)のときに,売上高も750万円,費用も750万円になり,売上高と費用とがちょうど等しくなって,費用がちょうど回収されることになります。
ですから,750万円(または15,000単位)の売り上げが損益分岐点(狭義)となるわけです。
この図表をみると,売り上げがたとえば500万円(図8Oの場合では10,000単位)にへると,100万円の損失が生じるようになること,また売り上げを1,100万円(図8一2の場合では22,000単位)にふやすと,140万円の利益が生じるようになること,また,たとえば200万円の利益(目標利益)をあげようとすると,売り上げを1,250万円(図8-9では25,000単位)にふやすことが必要であることなどもわかります。
限界利益図表前述の場合について,限界利益図表という利益図表を作成してみると,図8-3,図8-4のようになります。
売上高から変動費を引いた残り(売上高と変動費との差)を限界利益(貢献利益ともいう)といいます。
前述の例では,当期の売上高は1,000万円,変動費は600万円ですから,その差の400万円が限界利益になります。
それは,製品1単位当たりの売上高(販売価格)と単位当たり変動費との差から生ずる利益でもあります。
前述の例でいうと・販売価格は変動費300円との差から生ずる利益が,限界利益となるわけです。
このような限界利益を問題にすると,損益計算の方法は,つぎの式(および表)のようになります。
このように限界利益と固定費との差が利益ですから,この例の場合のように,限界利益400万円,固定費300万円の場合には,100万円の利益が生じる。
限界利益250万円,固定費300万円の場合には,50万円の損失が生ずる。
また,限界利益が300万円で,固定費300万円と等しい場合には,損益はゼロになって,利益も損失も生じない。
この場合が,狭義の損益分岐点となるわけです。
限界利益,固定費,損益のこのような関係を図で示すようにしたのが限界利益図表です。
限界利益図表では,縦軸で限界利益,固定費,その差の損益を図示するわけです。
図8-3および図8-4中のG点,F点などをみると,限界利益図表の作り方もわかるでしょう。
図8-3をみますと,売上高が750万円(図8-4では販売量が15,000単位)のときに,限界利益が300万円になり,固定費(300万円)と等しくなって,損益がゼロになりますから,この750万円(または15,000単位)の売り上げが,狭義の損益分岐点であることがわかります。
また売り上げがたとえば500万円(図8-4では10,000単位)にへると,限界利益は200万円となるから,100万円の損失が生ずること,また売り上げを1,100万円(図8-4では22,000単位)にふやすと,限界利益は440万円になって,140万円の利益が生じることもわかります。
また,たとえば200万円の利益(目標利益)をあげようとすれば,売り上げを1,250万円(図8-4では,25,000単位)にふやすようにしなければならないことなどもわかります。
営業外収益と利益図表損益計算書をみるとわかりますように,収益には,売上高(営業収益)のほかに,受取利息,受取配当金などのような営業外収益があります。
営業外収益は,つぎの式から考えて,固定費から引きます。
つまり,固定費から営業外収益を引いた残りを,いわば正味の固定費とするのが便利です。
減価償却費などの固定費は,いわばプラスの積極的な固定費,受取利息などの営業外収益は,いわばマイナスの消極的な固定費とみるわけです。
売上高十営業外収益一費用個定費十変動費)=利益売上高一個定費一営業外収益)一変動費=利益上の例では,売上高は1,000万円となりますが,ほかに営業外収益が50万円あるとしますと,利益図表は図8-5,図8-6のように作成できるわけです。
3損益分岐点を算出する公式損益分岐点は,公式(算式)でも算出できます。
損益分岐点の算式にもいろいろありますが,基本的なものはつぎの3つです。
つぎの算式では,当期の固定費をf,変動費をV,売上高をsとします。
しかかって,÷は,変動費率(売上高にたいする変動費の率)となります。
また,当期の販売価格をp,販売量をmとします。
したがって,蚤は製品1単位当たりの変動費となります。
狭義の損益分岐点(x)を算出する公式ある一定の売上高(S)または販売量(M)のときの損益(X)を算出する公式ある一定額の利益(g)をあげるのに必要な売り上げ(X)を算出する公式またはx=(f十g)÷(p一首)前掲の例(表8-1)の場合について,この算式によって損益分岐点を算出してみますと,つぎのようになります。
この場合では,当期の固定費fは300万円,変動費vは600万円,売上高sは1,000万円,したがって変動費の剣玉{よ60剛言言=60(ヒいます。
玄/こ販売価格pは500円,販売量mは20,000単位,したがって製なお,売上高のほかに,営業外収益がある場合には,利益図表のところで説明したように,営業外収益は固定費から引けばよいのです。
ですから,上の諸公式中のfを(固定費一営業外収益)とするわけです。
前掲の例の場合で,売上高1,000万円のほかに,営業外収益が50万円ある場合には,たとえば狭義の損益分岐点の算式は,つぎのようになります。
固定費と変動費の求め方。
個別費用法費用を固定費と変動費とに分けることを費用の分解(費用の分離ともいう)といっています。
費用分解の仕方にはいろいろな方法があり,また考えられますが,費用(原価)管理,したがってまた,利益管理では,個別費用法などという方法が適切です。
個別費用法というのは,この費目は変動費,この費目は固定費であるというように,各費目を固定費と変動費に分類整理して,固定費と変動費を求める方法です。
個別法,勘定科目法などともいい,ふつう行なわれている費用分解の方法です。
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